利益が先か、経理が先か

利益が先か、経理が先か 雑記

私のこれまでの経験上、利益が出ている法人ほど経理のレベルが高い傾向にあります。

経理のレベルが高いから利益が出ているのか、利益が出ているから経理のレベルが高いのかどちらなのでしょう。

経理のレベルが高いと利益が出る?

経理のレベルが高いというのは具体的には、自計化されており毎月の試算表が翌月には完成している、日常業務に困らない税務・会計の知識を有している、収支状況・利益見込みを把握しているなどがあげられます。

大企業に所属している方からするとそれぐらい当たり前だと思われるかもしれませんが、中小企業では当たり前ではないのです。

中小企業では、経理を社長自身又は社長のご家族が行っている法人も多く、限られた人員で日々の業務を行っていく中で、経理業務はどうしても後回しになりがちです。

決算前に慌てて1年分の資料をまとめるという法人も多いものです。

しかし、だからこそ素早く正確に経理業務を行い、現状の収支状況を把握し、具体的な数字から将来に向けた次の一手を打てる法人は、そうでない法人と比べて一歩も二歩も先を行くことができます

脱どんぶり勘定

毎月の収支状況を把握しなくても、だいたいの経営状況は掴んでいるという経営者の方もいらっしゃいます。

確かに、これまでの経験や通帳残高の増減によりざっくりとした収支の把握は可能です。

しかし、それではどんぶり勘定であり、正確な収支を把握することはできません。
そして、正確な収支状況の把握なくして、適切な経営判断を行うことは困難です。

売上が増収となったため利益が出ると思い、節税対策を行った。
しかし、締めてみると利益率が悪化しており、赤字となってしまったなんてことは笑い話ではなく本当にあるのです。

会社の状況を正確に把握できないことで成長を加速されるための投資の判断も遅れてしまいます。

経理のレベルと会社の利益は相関関係

経理のレベルが高い法人ほど利益がでる傾向があるのは間違いありません。

しかし、利益が出ているからこそ、経理を整えることができているとも言えます。

経理は直接利益を生まないため、人員の整備は後回しになりがちです。
どうしても売上を上げてくる営業などを先に増員することになります。

そのため、利益が出ていない法人は経理に人員を割く余裕がなく、収支状況を把握できない状況が続き、利益が出ている法人は、経理を整えるだけの余裕があるため経理のレベルが高くなっているとも考えられます。

経理のレベルと会社の利益は、一方が増えるともう一方も増える相関関係にあると感じています。

利益が出る⇒経理の人員を整える⇒会社の状況を正確に把握することができる⇒より利益がでるというサイクルが理想です。

しかし、自社で経理の人員を整えるには時間も資金も必要となります。

そこで、税理士事務所の出番です。

経理の人材が育つまでの間、記帳代行を依頼する、記帳指導を依頼するなど税理士事務所にサポートを依頼しましょう。

将来的には自社でより詳細にかつタイムリーに収支を把握できるようになるとまた一段と会社を成長させることができます。

まとめ

利益が先か、経理が先かではなく、利益も経理も重要です。

利益を出すことで、優秀な経理人材を雇うことができる、人材育成に力を入れることができる。

経理のレベルが上がることで適切な経営判断を行うことができ、より利益がでる環境が整う。

どちらか一方ではなく利益も、経理も大切にしましょう。

この記事を書いた人

広島市中区白島で税理士をしています。30代の開業税理士です。「税理士という枠を超えてお客様の一番の相談役となる」ことを目指しています。
税金や経営に関する情報、日々考えていることを発信していきます。

岡原 優太をフォローする
雑記
岡原 優太をフォローする
タイトルとURLをコピーしました