開業して半年が経ちました。
あっという間の6カ月。
顧問業務に営業活動などやるべきこと、やりたいことが山積みで、おかげさまで暇を持て余すことなく過ごすことができています。
開業してからというもの事業を軌道に乗せること、顧問先を獲得することを最優先に考えて過ごしてきました。家族を養っていかなければいけませんので最低限の売上の確保は必要です。
ひとまず1年は目の前の仕事に集中して、事務所の基礎作りに取り組んでいこうと考えています。
ただ、どこかで将来を見据えた戦略に切り替えていく必要があると感じています。
どの規模感をめざすか
10年後の事務所の姿を考えたときに、まずどれくらいの規模まで拡大していくかを考える必要があります。
ここでいう規模というのは関与先数ではなく職員数のことです。
税理士事務所は労働集約型のビジネスモデルであるため、職員数である程度関与先数の上限も決まってきます。
出来るかどうかは別として、職員何人の事務所を目指すかでこれからの戦略は変わってきます。
私ひとりで事務所を運営していくとなると、顧問先は20社程度が限界です。
AIやITツールを駆使してキャパシティを広げれたとしても30社は厳しいです。
最近は顧問先に訪問せず、Webですべて完結する事務所や、お客様に来所いただく来所型の事務所も増えてきました。そういうやり方であればもう少し担当できる顧問先数は増やせるかもしれませんが、私は訪問して現場を見たい派なので私ひとりで30社も40社も見るということはできません。
税理士本人がすべての顧問先を担当して、職員にバックアップしてもらう体制であれば職員はパートを含めて3~4人程度になります。
それ以上になるとバックアップしてもらったとしても税理士ひとりでは回しきれなくなります。
職員1~4名の事務所が税理士業界全体の6割程度というのもうなずける規模感です。
私が目の届く範囲、管理できる範囲で職員を採用するとなると5~8人がマネージメントできる限界です。
製販分離体制を構築して所内の業務を行う職員と、お客様対応を担当する職員をそれぞれ採用。自分もプライヤーとして顧問先を担当しつつ、重要な質問や要所では職員と一緒にお客様対応を行うといった感じになるでしょう。
この場合、業務品質をどのように担保するかが課題となります。
10人を超える規模になると税理士ひとりが頑張ってもどうにもなりません。
組織化する、優秀なNO2を育てるといったことが必要になってきます。
ここまで行くと税理士業界では上位10%の規模感になります。
どの規模感でも職員の採用は今後難しくなる一方です。
職員数が少ないほどひとり抜けたときの業務に与える影響は大きくなります。
税理士ひとり+職員であればこういった未来が予想されますが、税理士を雇用する、志を同じくする税理士と一緒に経営する(税理士法人にする)、又は一つの分野に特化するといった選択肢が出てくればまったく違う未来も見えてきます。
理想の姿
私はひとりで続けるつもりはなく、早めに職員を雇用したいと考えています。
ひとりも気が楽でいいのですが、自分が病気やケガで働けなくなったときのリスクが心配です。
若いうちはいいかもしれませんが、自分に何かあった場合に顧問先や家族に迷惑をかけてしまうのは避けないところです。
また、私はひとりでやるよりもチームでワイワイやるほうが性に合っています。
自分ひとりでは出てこない解決策やアイディアが出てくるのもチームで働く魅力です。
自分の目指す「事業のパートナーとなれる高付加価値のサービスを提供する事務所」であればなおのこと私の知識や経験だけでなくチームとしての知見が集まったほうがよりよいサービスを提供できます。
事務所のコンセプトや規模感という話とは異なりますが、私が理想とする事務所は「自分の子供を働かせたいと思える事務所」です。
これは自分の子供に事務所を継がせたいとかいう意味ではありません。
税理士業界の労働環境は決して良いとは言えません。
一般の方も残業が多い、給与が低い、ブラックだというイメージがあるのではないでしょうか?
そうではない優良な事務所もたくさんありますし、そういうイメージを変えようと取り組まれている事務所もあります。ただ、まったくイメージと違いますよとは自信をもって言えないのが現状です。
私だけでなく将来の事務所の職員が「自分の子供をここで働かせたい」と思ってもらえるのであればそれは事務所として最高の評価だと思います。
残業が少ない、給料がいい、福利厚生が充実しているというだけでは「ここで働かせたい」とはならないでしょうから難易度の高い目標だと思っています。
そんな事務所ができれば人は自然と集まり、人手不足とも無縁の事務所になるのではないかと夢を抱いています。
10年後の理想の姿に近づけるよう一日一日を過ごしていきたいです。