インボイス制度 不動産管理会社が行うインボイスの交付

不動産管理会社が行うインボイスの交付 税金

不動産を所有する大家さんは、請求書の発行や集金代行を不動産管理会社に委託している場合があります。

この場合、賃借人に交付するインボイスはだれが交付するのでしょうか?

原則は賃貸人がインボイスを交付

賃貸人(A)は、不動産管理会社(B)を通じて、賃借人(C)に不動産を賃貸しています。

この場合、賃借人(C)に不動産を貸しているのは賃貸人(A)ですから、原則は賃貸人(A)が賃借人(C)に対してインボイスを交付する必要があります。

賃貸人(A)は、請求書の発行や集金代行を不動産管理会社(B)に委託しているため、不動産管理会社(B)が代理で賃貸人(A)の名称及び登録番号を記載したインボイスを賃借人(C)に交付することも認められます。

賃貸人の代理で交付するため、代理交付といいます。

不動産管理会社のインボイス交付も可能

媒介者交付特例を使えば、不動産管理会社(B)が自身の名称及び登録番号を記載したインボイスを賃貸人(A)に代わって交付することもできます。

媒介者交付特例を適用するには要件が2つあります。

一つは、賃貸人と不動産管理会社のどちらもインボイス発行事業者であること。

本来は賃貸人が交付すべきインボイスの代わりに不動産管理会社が自身のインボイスを交付するわけですから、前提として賃貸人がインボイス発行事業者でなければ、代わりのインボイスを交付することができません。
また、不動産管理会社がインボイス発行事業者でなければ自身のインボイスを交付することができません。

二つ目は、賃貸人が自身がインボイス発行事業者であることを取引前までに不動産管理会社に通知していること。

賃貸人がインボイス発行事業者なのかそうでないのかは、賃貸人が不動産管理会社に通知しないとわからないため、事前に通知が必要です。
また、賃貸人がインボイス発行事業者でなくなった場合も、速やかに通知が必要です。

媒介者交付特例

媒介者交付特例は、委託者が物の販売などを委託して、受託者が買手に商品を販売しているような取引だけではなく、請求書の発行事務や集金事務といった商品の販売等に付随する行為のみを委託しているような場合も対象となります。(国税庁 インボイスQ&A 問48より)

そのため、一般的な委託販売や不動産管理会社の例のみならず、事務委託や営業代行、集金代行などの業務委託についても適用することができます。

まとめ

不動産管理会社に不動産の管理を委託している大家さんは、まずはインボイス登録を行うかどうかを検討しましょう。

インボイス登録を行うのであれば、自身でインボイスを交付するのか、管理会社に代理交付をお願いするのか、媒介者交付特例を使って管理会社のインボイスを交付してもらうのかを検討する必要があります。

管理会社と打ち合わせを行い、なるべく手間をかけず、かつ、賃借人にとっても負担とならない交付方法を検討しましょう。

(参考)

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