税理士事務所で働きながら税理士試験に合格するのは不可能ではない!が覚悟が必要です

働きながら税理士試験に合格 雑記

8月は税理士試験が開催されます。

いまだに8月になると、猛暑と極限のプレッシャーの中、広島の試験会場である広島サンプラザに通ったことを思い出します。

私は、税理士試験の勉強を大学3年生のころから始め、大学に通いながら2年ほど勉強したのち、働きながら5年ほど勉強を続け、無事試験に合格しました。

私の体験で働きながら試験に合格するために行ったことについてお伝えします。

これから税理士試験に挑む方の参考になれば幸いです。

経歴詳細

私の受験歴は、大学3年の時に税理士試験の勉強を始め、大学4年の時に簿記論と財務諸表論に合格。

その後、税理士事務所に勤務しながら勉強を続けましたが、仕事と勉強の両立に苦しみ、受験した法人税法、消費税法は3年連続で不合格。

このままでは、いつまでたっても税理士になれないと思い、これまでの勉強方法や時間の使い方、試験対策について徹底して見直した結果、法人税法、消費税法、相続税法を3年続けて合格。

5科目揃えることができ、税理士試験に無事合格しました。

モチベーションの維持

働きながら税理士試験の勉強を続けるのに一番重要なのはモチベーションを高く保ち続けることです。

税理士試験は長丁場です。

合格率10~15%前後の試験を5科目クリアする必要があり、1~2年で合格する人はほとんどいません。知り合いに一人だけ2年で合格した方がいますが特例でしょう。

働きながらであれば尚更合格まで時間がかかります。

税理士になるという決意と高いモチベーションがないと途中で挫折してしまいます。

私は一度やると決めたらできるまでは途中で辞められない性格なため、勉強を続けることに苦労はありませんでしたが、それでも3年連続で不合格となったときは、本当に合格できるのかと不安になりました。

モチベーションを維持するためには、科目合格の通知を受け取ることが一番です。

1科目ずつでも合格し、税理士に近づいていると感じると自然とモチベーションが上がります。

私が受験で不合格となった3年間は働きながら2科目の勉強を同時に行っていました。
2科目の勉強では試験前の最後の追い込みが十分に行えず、結果としてどちらの科目も中途半端な仕上がりとなってしまいました。
働きながら受験するのであれ、勉強する科目は1科目に絞って、着実に合格を狙っていくほうがいいと思います。

勉強時間の確保

働きながら受験勉強を行うためには、いかに勉強時間を確保するかを常に意識しておく必要があります。

仕事終わりや休日はもちろんですが、通勤時間や昼休み、移動時間など少しでも時間が空けば勉強に充てるようにしましょう。

私は、隙間時間でも勉強できるよう、理論テキストのコピーを持ち歩いていました。
教材を開くことができない場所や隙間時間でもコピー用紙をみて暗記していました。

また、一日の勉強時間を手帳に記録するようにしていました。

また、一日の勉強時間を手帳に記録するようにしていました。

記録しておけば、勉強時間が確保できていない場合一目瞭然です。
勉強時間を可視化することで自分にプレッシャーをかけていました。
スマホのアプリを活用するのもいいと思います。

職場によっては難しいかもしれませんが、試験の直前はできるだけ休みを取りたいところです。
できれば3日程度は休みたいです。
試験直前の1日は通常の1週間に匹敵するほど貴重な時間です。
私は試験直前は1日16時間勉強していました。
試験直前の猛勉強により自信をもって受験に臨むことができます。

専門学校の講師の先生に聞いた話ですが、働いている受験生は、専念して勉強している受験生と比べるとどうしても勉強の進捗が遅くなるため模擬試験などの結果ではかないませんが、あきらめず勉強を続けていると試験直前で追いついてくるそうです。

試験直前に集中して勉強することで最後の追い込みをかけましょう。

朝型の勉強方法に変える

平日は、早朝に勉強することをお勧めします。

私は1時間ほど早く出勤して、事務所近くのカフェで勉強していました。

就職してしばらくは、専念して勉強していたころのまま夜型の勉強を行っていました。
仕事終わりに、夜遅くまで勉強していましたが、仕事の疲れもあり、勉強は思うように進まず、次の日の仕事にも悪影響を及ぼしていました。

そこで思い切って朝型の勉強方法に切り替えました。

早起きははじめこそつらいですが、徐々に慣れてきます。
勉強時間も仕事がはじまるまでという制限があるため、集中力も高まります。

仕事終わりに勉強の予定を入れていても急な仕事が入り残業してしまうと、予定通りに勉強を行えなくなりますが、早朝であれば、急な予定が入ることはないため、確実に勉強時間を確保することができます。

また、私の勉強に使っていたカフェ(ベローチェです)では同じように早朝から勉強をしているビジネスマンが何人もいたため刺激を受けました。
中には税理士試験の教材を広げている方もいました。

働きながら勉強するのであれば、朝の時間を積極的に活用しましょう。

勉強方法を勉強する

どんなに時間をかけて勉強しても勉強方法が間違っていると合格まで遠回りすることになります。

試験に3年連続で失敗して一番初めに行ったことは、「勉強方法を勉強する」ことでした。

さすがに3年連続で不合格ということは今の勉強方法が間違っているんだろうと思い、勉強方法を見直すことにしました。

書店に行き勉強方法について書いてある書籍をまとめ買いし読み漁りました。
税理士試験の合格体験記も読みました。
その中で、自分に合っていそうな本を何冊か厳選し(勉強方法について書いたビジネス書はだいたい同じような内容のものが多いです)、税理士試験の勉強に落とし込みました。
合格体験記の合格者の勉強方法でなるほどと思った勉強方法も取り入れました。

正しい勉強方法を知ることは、合格への最短ルートを知ることです。
どんなに時間をかけて勉強しても遠回りのルートでは合格までたどり着けません。
税理士試験の勉強よりもまずは自分にあった勉強方法を学んでみることをお勧めします。

(私が参考にした書籍)

「1日30分」を続けなさい! 作者:古市幸雄

働きながらどんな試験も合格できる!朝1時間勉強法 作者:山本憲明

専門学校をフル活用する

専門学校選びは重要です。

私はTACで勉強していました。

受験に専念していたころは、広島校で行われていた授業に出ていましたが、働きだしてからはDVDでの受講に変更しました。
決まった曜日に授業に出席するスタイルだとスケジュール調整が難しく、どうしても欠席する日が出てしまいます。
自分のスケジュールに合わせやすいDVDでの受講の方が働きながら勉強するにはあっていました。

自宅で受講する方法もありましたが、私はあえて専門学校で受講するようにしていました。
自宅ではいつでも受講できるという気の緩みから勉強がはかどらない気がしたからです。
わざわざ予約をして専門学校で受講することで強制的に勉強しなければいけない状況を作るようにしていました。

また、仕事終わりや休日も専門学校に通い自習室で勉強していました。
21時半まで自習室が開いていたため、閉まる直前まで専門学校で勉強をしていました。

専門学校は受講料の高い安いも大切ですが、通いやすさ、自習室の利用のしやすさ、雰囲気などを比べて慎重に選びましょう。

試験がうまくいっていない場合は、専門学校を変えるのも手です。

戦略を練る

税理士試験はほかの受験生と比べられる相対評価のため、満点を取る必要はありません。
とはいえ、自分の実力を出し切れなければ合格することはできません。
1年に1度の試験日当日に自分の実力が発揮できるよう戦略を練りましょう。

税理士試験の科目の多くは、制限時間2時間で理論問題50点、計算問題50点の配点です。

つまり、理論問題と計算問題をおおよそ1時間ずつで行う必要があります。

しかし、この時間配分が難しい。


ほとんどの受験生は2時間では最後まで解ききれません。
どこに時間をかけるかを見極める必要があります。

私は、試験本番は計算問題から始めて1時間たつと理論問題に切り替えていました。

問題の構成は理論問題が先に記載されているため、ほとんどの受験生が理論問題から解き始めます。
私も受験4年目まで理論問題から解いていました。

理論問題は暗記勝負であり、年に1度の本番で時間をかけて覚えてきた理論を披露しようとつい書きすぎてしまい時間をオーバーすることがありました。
理論問題で時間をオーバーすると残り時間がないことに焦り計算問題はボロボロです。

また、試験を受けた方しかわからない感覚ですが、理論問題を解き終わった受験生から計算問題に入るのですが、計算問題に入り電卓を打つ音が試験会場に響きだすと、まだ理論問題を解けていない受験生はとても焦ります。

冷静さを失うと実力を発揮することができません。

そこで計算問題から入り、時間が来ると切りのいいところで理論問題に切り替えるようにしたところ、バランスよく問題を解くことができるようになりました。
この方法に変更してから試験で不完全燃焼ということがなくなり、立て続けに合格することができました。

この方法が1番といっているわけではありません。
私に合っていただけでほかの受験生に合うとは限りません。
自分に合った実力を発揮できる方法を見つけましょう。


年に1度の試験で完全燃焼できるよう戦略を練りましょう。

大学院に通っての科目免除制度の利用を検討する

試行錯誤しても試験になかなか通らず、受験期間が長期化する場合があります。

その場合は、大学院に通って科目免除を受けることを検討しましょう。

私は、運よく独身の時に試験に合格することができましたが、結婚して子供がいる状況で受験を継続していた場合、合格できたかと考えるとまったく自信がありません。

家庭があると休日をすべて勉強時間にあてるというのは難しいです。

勉強時間の確保もままならないかもしれません。

その場合、遠回りのようでも大学院に通って科目免除制度を受けたほうが確実に合格を狙えます。

5科目合格にこだわる必要はありません。

私の周りにも科目免除制度を利用して税理士となった方は大勢います。

まずは合格することが重要です!

働きながらの合格は不可能ではない!

私は税理士事務所に入所してすぐに当時の職場の先輩から「うちで働きながら試験に合格するのは無理だよ」と言われました。

過去に働きながら試験はおろか科目合格した人さえ一人もいないというのです。

これはショックでした。

今でも忘れられません(笑)。


私を心配しての助言だったと思います。
ショックでしたが同時に「過去に前例がないなら前例を作ってやる」と燃えました。
実際にはそこから3年連続で不合格となったわけですが、諦めずに勉強を続けた結果、合格を勝ち取ることができました。

厳しい言葉をかけていただいた先輩からもお褒めの言葉をいただきました。

働きながら税理士試験に合格することは決して不可能なことではありません。

しかし、長い受験勉強を潜り抜ける覚悟が必要となります。

このブログを読んでくれた方にとって少しでも参考となり、税理士試験に生かしていただけると幸いです。

(参考)「続ける」ために心がけていること はこちら

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